説明.
叩き伸ばされた板バネは海洋包丁に誕生 |
池村 泰欣(いけむらやすよし)作 |
(2)八重山 海洋包丁(小) |
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作者 |
池村 泰欣昭和23年(1948年)生まれ。 流れ鍛冶であった初代と二代目により培われた技倆は三代目泰欣で開花。現在八重山の誂え鍛冶として絶大の信頼を集めている。 |
解 説 |
■厚い板バネをここまで伸ばすのは手間かかりすぎるが、それだけに切れ味も鮮やか 黒潮文化を色濃く残す八重山諸島。その島に伝わる海洋包丁を復刻したのは、八重山鍛冶三代目、池村泰欣である。現在、八重山の誂(あつら)え鍛冶として島民達から絶大の信頼を集めている。 刀身は、米軍ジープの板バネ。既に有る物を利用する。黒潮文化の生活の知恵は、八重山諸島に溶け込み、池村鍛冶も、刃物道具の素材として車両の板バネや、砲弾を利用してきた。 板バネの性格や扱いに精通してくると、本土からの安来鋼より切れ味が良く、「島民からの評判も高い」と、池村は云う。火造り鍛造の扱いによっては、かなりなものになるらしい。 ハンドルは、粘りのある石垣松をバーナーで焦がし防腐処理。さらに、口金(くちがね)も、丹念に自ら板を曲げ火造り鍛造。 鍛冶場は、必要最低限の設備しかなく、自らの腕力だけが頼り。 昔ながらの“村の鍛冶屋”を彷彿とさせる。そこから生まれる池村作≪海洋包丁≫は、使っては研ぎ、研いでは使う実用本位。数百年にわたり鍛えられ磨きあげられた≪海洋包丁≫。 求むれば、本物の道具の有能さに驚嘆の声をあげるだろう。 ※お届けまでに1〜2ヶ月かかります。 |