説明.
土佐400年の誇りを賭(と)して 鍛え上げし狩猟刀の傑作 |
土佐伝「猪毛-止刺」9寸・両刃 |
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作者 |
土居 良明昭和13年(1938年)生まれ。 名匠長運斎行光に師事。後に各地の名工を渡り歩き、土佐自由鍛造の秘伝奥義を継承、加えて独自の鍛造技術を確立、土佐の名門鍛冶。 |
解 説 |
猪を追い立てる勢子(せこ)が、常に腰にたばさみ愛用していたと云う≪土佐伝猪毛「止刺」(とさでんいのけ「とめさし」)9寸≫。 猪の喉元を一突きでえぐり、そして、勇壮な巻狩(まきがり)では藪を払うブッシュナイフとなり、あるいは、仕留めた猪の堅い皮を難無く切り裂き、ケボカイ(解体)に重宝されてきた。 いわば、土佐狩人の守護身刀とも云える大型の狩猟刀だ。 この土佐に伝わる伝統の狩猟刀が、土佐自由鍛造の奥儀を継承する、土居良明(どいよしあき)の手により、創意工夫を加え甦った。 刀身は、鮮やかな切れ味で定評の安来鋼青紙2号の本割込鍛造。猪の剛毛をサラサラと刈り上げ、切先を鋭利に落し込むことにより、止刺(とめさ)しに威力を発揮。 棟(むね)は、狩猟刀には珍しい清冽な刀剣拵“いおり棟”。 名工・土居良明の卓越した技能が一つの作品として結実した、類稀(たぐいまれ)なる大振りの業物だ。 |