説明.
三日月の鞘に宿る、山刀の真髄ここに極めり! |
佐治武士(さじたけし)作 |
三日月鞘黄銅沈木山刀9寸・両刃 |
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作者 |
佐治 武士昭和23年(1948年)生まれ。 700年の伝統を誇る越前刃物の産地武生を代表する鉈鍛冶三代目。中学を卒業と同時に二代目に師事。同年、鍛冶訓練校に入学。1963年、三代目を襲名。1992年伝統工芸師の認定を受ける。確かな技術と創意工夫で、優れた刃物を生み出している。 |
解 説 |
“武生(たけふ)”は、泉鏡花の「雪霊記」にあるように、昔から水のきれいな処。 京、栗田口の刀工・千代鶴国安(ちよつるくにやす)が水を求めて来往以来700年、全国有数の刃物産地としてその名を馳せる。 そんな武生に生まれ育った佐治武士(さじたけし)は、今や、越前鍛冶を代表する名鍛冶師に成長した。その佐治が今回、流麗にして華麗な中にも力強さを感じさせる、9寸もの大型の狩猟刀を発表した。 それは、武生近郊の日野川周辺で採集された古の狩猟刀を現代風にアレンジしたものだ。 刀身は、玉鋼に一番近い組成とされる高純度炭素鋼の安来鋼白紙2号をダマスカス積層鋼に三枚に合せた、妖艶なダマスカス複合材鍛造。水面(みなも)に墨を流したような墨流(すみなが)し模様が美しい。 特筆すべきは、刀身から柄後部まで一体構造のフルタング方式。折れたり、抜けたりする事無く、頑丈この上ない。 そこには、水より比重が重いため、水に沈む“沈木(ちんぼく)”(ココボロ)を典雅に装い、さらに、黄銅の口金をアクセントに、刀身全体のバランスを絶妙に引締めている。 鞘は、刃に優しいロイヤルウッドに黒漆を丹念に塗布。刀身形状に関係なく、遊び感覚で三日月型を形成し精悍さを強調。 佐治武士作、≪三日月鞘黄銅沈木山刀(みかづきざやおうどうちんぼくやまがたな)9寸≫。硬質な美しさが匂い立つ、その刀姿美は、清冽にして雄渾。鍛造ナイフの愛好家にとって、希求の的となるであろう。 |
特記事項 |
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