説明.
(2)黄銅鞘捻チキリ荘刀子(大) |
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作者 |
中山 英俊昭和46年(1971年)生まれ。 1989年カスタムナイフメーカー、上釜信行氏に師事。カスタムナイフに伝統の根付彫刻を取り入れた先駆者。その高度な技は、国内外より高評価。今や、世界のナイフアーチストとして認められている。 |
解 説 |
世界に羽撃(はばた)く異色のアーチスト中山英俊(なかやまひでとし)。日本を代表する優秀なカスタムナイフメーカーであり、新進気鋭の根付師(ねつけし)でもある。日本伝統の根付彫刻の技をカスタムナイフに融合させた“根付ナイフ”の先駆者だ。 本作は、そんな中山ならではの洗練されたアイデアと、精緻な技が盛り込まれた刀子(とうす)。団塊の世代には懐かしい、“肥後守拵(ひごのかみごしらえ)”の折りたたみ式、現代刀子だ。 黄銅の一本ムクの丸棒を削り出し鞘を形成し、幽遠な筋梨地(すじなしじ)仕上げを施す。いずれも刀身は、錆に強く高靭性を誇るHMS67を採用し、正倉院御物(しょうそういんぎょぶつ)の刀子を模写している。 特筆すべきは、親指を掛ける“チキリ”の部分。火造(ひづくり)り鍛造し捻(ねじ)り上げ、その造形美は芸術の香りさえ漂っている。まさに、世界の根付師・中山ならではの、卓越した技能が一つの作品として結実した類稀(たぐいまれ)なる傑作と云える。 |
特記事項 |
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