説明.
1980年代ラシャ鋏界の重鎮、北島和男の総火造りラシャ鋏(黒塗り輪) |
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作者 |
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解 説 |
明治初期、ラシャを縫うためのシンガーミシンと一緒に輸入されたメリケン鋏。 後に、ラシャ裁鋏と呼ばれるようになった。その横浜に入港したメリケン鋏のネジには、RHINISCH(ラインイッシュ)と刻印が打たれ、ライン河のほとりで製造されたと推測できる。 そんなメリケン鋏にも欠点があった。全鋼のため、調整棒で刃身を曲げ、微妙な刃のかみ合わせの調子を取ることが難しい。 そこで、地金と鋼を接合したラシャ鋏の研究が、刃匠の元で修業を重ねた、若き刃物師、吉田弥吉達の手により完成されたのだ。 通常、メリケン鋏(ラシャ裁鋏)の祖と云えば、吉田弥吉(弥十郎)の名があげられるが、その協力者としてラシャ裁鋏、散髪鋏の立野平作や、散髪鋏の友野義国、木鋏の阿武隈川憲次を忘れてはならないだろう。 本作は、そんな吉田弥吉の流れを汲む、北島和男の総火造りラシャ鋏だ。通常のラシャ鋏は、マリエーブル製の鋳造の足輪を溶接しているが、そう火造りは、足輪部までに火床で鉄を赤め、アメのように叩き延し、烏口で曲げ、足輪を形成。それだけに難易度も高く、今や貴重な稀少の逸品だ。 長期間の展示や保管の為、刀身の一部変色、小キズ、小さなサビや足輪キズがあります。 |